知床岬トレッキング第5話「動かないカラダ」

 

どーも!

正道(@sunobobaka204)です!

 

片道20kmを越える道のり。

いくつもの難所を乗り越えて、ついに知床岬に到着。

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知床岬に到着したものの、達成感は少なかった。

僕は今から、この道を戻らなければならない。

 

長く険しく、何度も死を覚悟した道を戻る。

「これまで来れたから、戻るのは楽勝だ」なんて考えは僕の頭にはなかった。

復路で最初に立ち向かうのは100mの崖。復路はあの崖を登らないといけない。

ハァッ…ハッ…

荒い呼吸。ずっと緊張の糸を切らさずに歩いてきた。自分が思っている以上に疲労が溜まっている。

 

往路のような万全ではない状態で、出発地の相泊まで帰る。

・・・まだだ。

まだ糸を切らすな。

 

よし!帰るぞ。

 

激戦!フキノトウクライム

 

知床岬の丘から海岸へ降る。

 

知床岬に到着したほんの少しの達成感が、緊張を緩ませ体の疲労を表に出す。

疲れた。歩きたくない。

でも歩かなければ帰れない。

ヒグマがまだ岩の裏の貝?を食べている。

 

岬付近の石浜は、石が細かく砂浜のようで歩きやすい。

振り返ると岬が見える。

「あぁ、俺、2度とここに来ないんだろうなぁ」

 

赤岩の砂浜を歩き、復路最初の難所「カブト岩」に到着。

この100mの崖を登る。

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カブト岩に到着した頃、海では観光客がクルーズ観光にきていた。

船の上からカブト岩を眺める観光客。

 

観光客「危ないよーーー!!!」

船から声が。

(ん?危ないけど、登らないと帰れない。なんだ?船に乗せて帰ってくれるのか?)

 

観光客「ヒグマがいるぞー!!」

 

マジかよ

どうやら、ただでさえ難所なカブト岩にヒグマがいるらしい。

 

観光客子供「うわーーバカだーー!食べられるよぉーーっ!」

船の上からあんな声やこんな声。

そこに黄色い声援はなく、

「バカだ」「殺される」「死ぬぞ」

という声ばかり。船の上の人からするとそんな感覚なのか。

 

当事者で陸地にいる僕らからすれば、

「ヒグマ、はよどかんかなぁ。」

「もうこれ進んでいいかね?」

みたいな感覚。

 

僕らも実際に自分の足でここに来なかったら、船の上の観光客のように感じていただろう。

僕らは自分の目でヒグマを知り、この地を知った。だから怖くない。

 

崖の上を見るが、ヒグマはうっすら見える?程度。

 

船主「少し待ってからいけよぉ〜!」

と言って、観光客達は船でどこかへ。

 

待つのも面倒なので、すぐさま崖へ登り始める。

岩肌ではなく、土なので落ちても転がり落ちる程度。

だが、土なので掴む場所がなく逆に登りにくい。

 

急斜面、背中に太陽の光がささる。

斜面に這うように登るので、風はこない。

額から汗が吹き出る。

土で滑る。

崖に生えている草を掴んで登っていく。

この草が茎が太く掴んでも千切れない。

(僕らはなんの草か分からないのでフキノトウと呼んでいます。多分名前は違います。)

 

崖に生える草を掴みながら登る。

この草がなかったら間違いなく滑り落ちる。

草によっては茎が腐っていてちぎれる場合もある。

全身の神経が敏感になっていた僕らは、掴んだ瞬間に「あ、これ千切れる」と感じ、違う草を掴む。

・・・ガイドやプロがいれば、何か道具を使って登るんだろうか。

 

僕らは蜘蛛みたいに手足を広げ、崖に引っかかりながら登った。

一寸とも気を緩めない。

そんな時間が登り切るまで続いた。

崖から頂上へ登りきった瞬間、風が体を吹き抜ける。使い切った体は動かなくなり、頂上で倒れた。

 

少し時間が経つと、大下も頂上へ到着。同じように倒れていた。

「地面に倒れこむってこういうことを言うんだな。」なんて言いながらしばらく動かなかった。

 

そして登ったカブト岩を降る。

こちら側の斜面は山になっているので、歩いて降れる。

 

動かない体

 

先ほどの崖登りで、死ぬほど汗をかいた。持っていた水分は全て摂取。

水がない。

川があれば水を汲めるのだが、川もない。

次に川があるポイントは、難所「念仏岩」の先だ。

 

念仏岩の麓に到着。

この難所を登る前に、休憩を挟む。

緊急時のサバイバルウォーターを摂取。

大下こんなの持っていたのか。

しかし水を飲んでも、体が回復しない。

 

念仏岩の陰で体を休める。

思えば、起きてから何も食べてない。飴とタブレットだけ。

もう時刻は12時。出発から7時間も経過している。

 

しかし、動かなければ!

正道「大下!この念仏岩を越えて、今朝出発した番屋についたら、飯にしよう!」

 

 

念仏岩の垂直な崖をロープで攻略。

 

土肌の急斜面も攻略。

体を酷使する度に、疲労感が襲う。

「これはヤバイやつ」

感覚がそう言っている。これまでは、気を張っていたから疲労感を感じずに動けていた。

しかし今はもう、気を張る気力も残っていない。

知床岬の道中は、油断したら終わりだ。

少しのミスで命がなくなる。

念仏岩を降って石浜へ。

二本滝を右手に今朝の出発地点を目指す。

 

今朝の出発地点である番屋に到着。

 

 

「もう無理」倒れこんだ。

動けねぇ・・・。

なんとかここまで戻ってきた。

 

「ご飯!ご飯を食べよう!!」

カバンの中の鯖缶とパスタを食べる。

皿がないので、ペットボトルをナイフで切って皿にした。

 

ご飯を食べた後、一気に疲労が全面的に現れた。

硬いコンクリートの上に少し寝そべる。

ねむた・・・い

・・・気づいたら2時間も寝ていた。

 

ここもヒグマが十分に現れる。

しかもご飯を食べたばかり。この辺りは匂いがしているだろう。危険だ。危険すぎる。

そんな場所で2時間も寝たとは・・・。

余程疲れていたようだ。笑

 

2時間の睡眠をとって時刻は夕方の3時近く。

日が沈む前にはテントを張りたい。

明日の朝の干潮時に通過しなければならないポイントもある。

そして明日の天候は雨予報。

できるだけ今日のうちに距離を稼ぎたい。

 

青空が段々と曇り始める。

今日のうちに進まなければ。

雨が降れば、難所の難易度が上がる。

 

重たい体を持ち上げて、僕らは歩き出した。

 

歩いてきた巨岩を飛び越え、石浜や海の中や断崖を歩く。

 

正直、疲労が最高潮に達していて、会話もなく、写真も撮る気力もなかった。

 

ー16:30

ちょうど大きな川が見えてきたので、そこにテントを張る。

これからご飯を食べて寝るのだが、道中腰まで海に浸かったので服がビショビショ。

このまま知床の寒い夜を過ごせば、間違いなく低体温症になる。

 

火を起こし衣類を乾かす。

知床半島では、緊急時は焚き火をしていいことになっている。

靴下やズボンを乾かす。

 

そして鍋で川水を沸かし、コーヒーを作る。

熱々のコーヒーが体を温める。

 

枝が全部炭になった後の弱々しい火が、一番衣類を乾かしやすい。

晩御飯は、大下が持っていたビタミン剤とプロテインでやり過ごした。

食料を僕が忘れてしまった為、明日の分も考えての判断。

 

ビュオーーー!!!

ビュゥウゥ!!!

 

風が強くなってきた。

雲が空を覆い、雨粒が頰に当たる。

 

「雨が、来る・・・」

知床岬の帰り道、限界を超えた100mの崖。

疲労で動けなかった体。

海を歩いた後の冷たい体に火が暖かい。

明日の難所のトッカリ瀬、悪天候時は死者もでる危険な場所。

最後の試練とばかりに雨雲がやって来た。

テントを打ちつける大雨。

徐々に動きが鈍る体。足を動かすだけで精一杯な気力。

次回、知床岬最後の道のりが始まる。

 

 

ABOUT ME
正道
名前:高橋正道(マサミチ)職業:学生&冒険者&ブロガー 自転車日本一周/無人島サバイバル生活/スケボー台湾一周/自転車NZ旅 →2018年8月、秘境:知床岬サバイバルに挑戦! アメーバブログでランキング1位を獲得し続けた「正道の日本一周ブログ」がブログ開設のキッカケ。この「正道ブログ」では主にアウトドア、学生生活、毎日3時間以上勉強していた恋愛についての記事を書いてます。 皆さんの毎日の楽しみになるようなブログを目指します! 最近はアフィリエイトなど、ブログでの収益アップも考えています。
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