知床岬トレッキング第2話「死との距離感」

 

どーも!

正道(@sunobobaka204)です!

ついに知床岬へ向けて出発した。

漁師の番屋を抜け、目の前に広がる大自然へ進む。

思いがけない巨岩に道を阻まれるが、そんな非日常の世界が楽しくも感じた。

しかしこの先には、ミスの許されない難所が待ち受けていた。

 

25mの崖「観音岩」現る

 

石浜や巨岩を歩き続け1時間弱。

 

最初の難所である「観音岩」が現れた。

ここは25mの崖。

下の写真の通り、ほぼ垂直の険しい岩場である。

(↑崖を登りながら右側を撮影)

 

 

登るために、古臭いロープがかかっていた。

(ブレた写真で申し訳ない)

「このロープ、大丈夫か…?」

 

だがここはこのロープを信じるしかない。

ロープに掴まりながら登っていく。

雨で足場が滑るのが厄介だったが、何とか攻略。

しかし、この先には100mの崖も待っているのだ!!

「この崖の4倍かぁ」と、ちょっと怖くなる。

 

「観音岩」という場所だけあって、観音様の姿が。

 

人生初のヘツリ

 

観音岩を超えてすぐに現れた、急流。

岩を飛び越えて進む。

この川で水分補給。

川の水をペットボトルに汲み、携帯浄水器を装着する。

北海道の川水は、実は危険。エキノコックスという寄生虫が存在し、川水などから経口摂取でのみ感染する。

約10年体内に無症状で潜伏する。早期治療できなければ手遅れになるんだとか。

この浄水器は99%除菌するらしいから、エキノコックスも除菌していると信じるしかない。

川を越えると「ヘツリ」が見えてきた。

ヘツリとは「断崖」という意味。

すぐ横が海のヘツリを進んでいく。

海が浅いならば問題ない。

しかし、海が深くなると怖い。

この先で待っていたのは下が真っ青な深い海。滑って落ちたら危険だ。

 

慎重にへつっていく。

知床岬への道のりは、段々と難易度を上げていく。

 

太陽

人生初のヘツリを抜け、見えた次の難所は「トッカリ瀬」

大きな岩場を飛び越えて進む。上の写真は、干潮時の状態。

満潮時になると岩が沈み、進むのはかなり困難になる。

僕らは計画通り干潮の時間帯で通過することに成功した。

ここでは死亡事故も起きている。女性が足を滑らし海に転落。その後波にさらわれたそうだ。

僕らが背負っているザック。人間よりも浮力がある。

海に落ちればザックが浮かび、背負ってる僕らは顔が上がらない。そして波が高ければ、簡単に沖にさらってしまうだろう。

p.s

僕らがここを通った5日後、大学生が波にさらわれて行方不明になりました。気をつけてください・・・。

 

緊張感を増していく道中に光が差し込んだ。

「おっ!」

太陽。

 

霧雨が止み、太陽の光が道を照らす。

「あったけぇ…」

こんなにも太陽の光を暖かいを思ったことはない。

太陽ってすごい。光が差すだけで、小さな不安なんか吹き飛んでしまう。

体が温まるだけで、力が漲ってくる。

 

巨岩帯と犬

 

地面に鹿の角が。

クマが食べたのか?

目の前の難所を攻略することに夢中で、ここがヒグマの生息地であることを忘れていた。

 

トッカリ瀬を越えると、巨岩帯が見えてくる。

 

岩を登って潜って進む。

 

すると前から人間が現れた。

まさかこんな巨岩帯に人がいるとは。どうやら僕らと同じトレッカーのよう。

ん?

犬もいる。

マジか。

知床岬で先週ヒグマに犬が2頭食べられた事件があったばかり。

犬の名前はチャイ。大人しくていい子だ。

 

この方達は、この巨岩帯を超えた先の「モイレウシ湾」まで行ったが、引き返すようだ。

モイレウシ湾にヒグマが出たんだとか。

一応、犬は訓練をしているらしい。しかし、やはり犬を連れてのトレッキングはキツいと判断し、このまま帰るそう。

 

おじさんと犬にお別れをする。

緊張感漂う道中で、犬と触れ合うのはかなりリラックスできた。

犬かわいいなぁ。撫でただけで疲れが吹き飛んじまったよ。

 

巨岩から見下ろすとヘツリが見える・・・。

しかし、降りて向かうと横に穴が。

「これは、イケるな」

海側をへつらず、穴の岩場を抜けていくことにした。

知床岬までの道のりに、目印なんてない。「ここから進んでください」という看板もなければ、黄色いテープもない。

海岸沿いをどう進むのかは、完全に僕ら次第。

歩んだ道が道となる。だ。

 

自分の身長ぐらいの岩を、どんどん登る。

岩肌からかすかに差す光。湿った草木の雫。冷たい空気。ウミネコの鳴き声。岩を抜ける風の音。

この岩場の世界は、まるでゲームの中のようだった。

 

自分って、なんてちっぽけなんだ・・・

この岩場から見た僕らは、ウミネコや虫たちと何も変わらない、1つの命なんだ。

 

 

死の瞬間

 

岩場を登れば当然降る。

「ちょっとこれは…」という場所を、大下が無理に降ろうとする。回り道をすれば安全。

しかし大下は「いや大丈夫、イケるイケる」と進んでいく。

 

大下「うおぁっ!!!」

正道「あっ!!」

 

大下が足を滑らし岩場から転落しかける。

 

「あっ!!」と僕が声を上げた時には、大下が滑って、体勢を何とか立て直していた。

一瞬の出来事だった。

大下は助かった瞬間、額から汗が吹き出していた。

死というのは一瞬で起こる。多分、僕らが想像しているよりはるかに死は儚いんだ。

 

岩場を降るとこで、思わぬ難所に出くわした。

ツルッツルの岩場とロープ。しかも結構な高さだ。

この場所を重たいザックを背負って降りるのは恐怖。

岩場に足をかけ滑ったら終わり。このロープはあてにならない。

 

ロープは使わず、横のツルツル岩場を何とかクライミングしながら降りるルートで攻略した。

 

巨岩帯を攻略しても、休憩なんてできない。

この先のモイレウシ湾のポイントも干潮時に突破したいからだ。

巨岩帯を抜けたすぐ先には、小さな崖が待っていた。

先ほどの25mの崖の3分の1もない。しかし、「THE・崖」感がすごい。

ロープが二本垂れている。これは大丈夫なのか?

ほぼ垂直なので、ロープに頼るほかない。

 

ロープがもし切れたら終わり。

知床岬に来て、自分の命を大自然に預けることが多い。

岩場でも突起した岩が崩れたら終わり。ロープも切れたら終わり。

登り切ると、モイレウシ湾が見えた。

 

今度はここを降ってモイレウシ湾に向かう。

このモイレウシ湾で、知床岬への道程の半分の距離になる。

「もう半分か」とこの時は思った。

しかしこの先の難所は過酷さを増し、これまでの道のりの倍以上の時間がかかることになる。

 

 

 

命は自分だけで守っていない。死は突然やってくる。

ここに来て「命」というものをよく考えるようになった。

苦しい石浜の道のりはまるで人生のようだ。いくつかの難所は人生における壁。

死は、この人生という石浜と壁から…苦しみからの解放。冷たい知床の風と岩肌が、僕にそんなことを気づかせる。

気分は冴えている。まだまだ進める。

この先で判断を誤り、手足が限界に追い込まれるほど危険な状況になるなんてこの時は考えもしなかった。

次回、限界ロッククライミング。

 

↓次話

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名前:高橋正道(マサミチ)職業:学生&冒険者&ブロガー 自転車日本一周/無人島サバイバル生活/スケボー台湾一周/自転車NZ旅 →2018年8月、秘境:知床岬サバイバルに挑戦! アメーバブログでランキング1位を獲得し続けた「正道の日本一周ブログ」がブログ開設のキッカケ。この「正道ブログ」では主にアウトドア、学生生活、毎日3時間以上勉強していた恋愛についての記事を書いてます。 皆さんの毎日の楽しみになるようなブログを目指します! 最近はアフィリエイトなど、ブログでの収益アップも考えています。
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